「給与明細書印刷」で給与計算をする 第6回

「給与明細書印刷」で給与計算をするの6回目です。

まだ「給与明細書印刷」をお持ちでない方は、下記のVectorさんのサイトからダウンロードしてくださいね。

http://www.vector.co.jp/soft/data/business/se508277.html

1.健康保険

会社などで常時使用される従業員(パート等でも一定の勤務日数以上、勤務時間数以上働くと含まれます。)の方は、適用除外に該当する場合を除いて、健康保険への加入が義務付けられています。

健康保険の保険料は、標準報酬月額保険料率を掛けた額の半分ずつを会社と本人で負担することになっています。

円未満の端数が生じたときは、給与から控除する場合(50銭以下切り捨て、50銭を超えると1円プラス)と現金で会社に払う場合(50銭未満切り捨て、50銭以上1円プラス)で処理の仕方が異なりますが、会社と本人の間で取り決めがあればそれに従って処理しても良いことになっています。

標準報酬月額は、会社へ入社したときに決まるほか、毎年7月に改定の手続き(算定基礎届)をして9月分からの1年分が決まりますが、その他にも毎月の給与の中で固定的に支給されるもの(基本給など)が増減し、一定の要件に該当する場合に改定の手続き(月額変更届)を行い、その増減があった月から4か月目に当たる月から変わることなどがあります。

保険料率は、協会けんぽに加入している場合と健康保険組合に加入している場合で異なるほか、会社が加入している協会けんぽ等の都道府県によっても異なります。

また、介護保険制度ができてからは、40歳以上65歳未満の方(介護保険第2号被保険者)は健康保険の保険料に介護保険の保険料を上乗せして納めることになっています。

これらの保険料率は、3月分から変更されることがありますので、注意が必要です。

「給与明細書印刷」では、保険料の金額を入力するようになっていますので、健康保険に加入している協会や組合から保険料額表を入手して、その表を見て処理します。

協会けんぽの保険料額表

なお、保険料を控除するときは、原則、前月分を控除します。

日暮太郎さんの事例では、計算する給与は平成26年10月分、年齢35歳、標準報酬月額260千円です。

会社の事業所について記載がありませが東京都で協会けんぽに加入しているとします。

まず、協会けんぽのホームページなどから保険料額表を入手します。

標準報酬の月額の欄を下に見ていって「260,000」を探します。

「260,000」が見つかったら右に見ていき、日暮太郎さんは35歳なので「介護保険第2号被保険者
に該当しない場合」の「折半額」のところを探します。

「12,961」が探せましたか。

「健康保険」の欄には、「12961」を入力します。

保険料率が分かっていれば、「260,000×9.97%÷2」と計算しても出せます。

※賞与については、別の方法で保険料を算出しますので、ご注意ください。保険料額表の下にある点線で囲まれた部分の3つ目の「○」をご参照ください。)

75歳になると後期高齢者医療となり、健康保険の適用から外れます。同様に健康保険よりも優先される保険に加入する場合も健康保険の適用から外れます。

2.介護保険

介護保険の保険料は、40歳以上65歳未満の方(介護保険第2号被保険者)の場合、健康保険の保険料に介護保険の保険料を上乗せして控除されます。

日暮太郎さんの事例では、35歳ですの介護保険の保険料はかかりません。

「(うち、介護保険)」の欄は、空白を入力します。

この事例で日暮太郎さんが40歳だった場合は、上記1.で保険料額表から探した「12,961」の2つ右隣の数字「15,197」から引いた差額「2,236」が介護保険の保険料になります。

介護保険分の保険料率が分かっていれば、「260,000×1.72%÷2」と計算しても出せます。

※端数が生じる場合は、保険料額表からそれぞれの端数処理をした額の差額を出した方が良いと思います。

介護保険の保険料を控除するときも、原則、前月分を控除します。

賞与については、別の方法で保険料を算出しますので、ご注意ください。保険料額表の下にある点線で囲まれた部分の3つ目の「○」をご参照ください。)

3.厚生年金保険

会社などで常時使用される従業員(パート等でも一定の勤務日数以上、勤務時間数以上働くと含まれます。)で70歳未満の方は、適用除外に該当する場合を除いて、厚生年金保険への加入が義務付けられています。

厚生年金保険の保険料も、標準報酬月額保険料率を掛けた額の半分ずつを会社と本人で負担することになっています。

円未満の端数が生じたときの処理方法、標準報酬月額が決まる方法については、1.の健康保険のところで書いたとおりです。

「給与明細書印刷」では、小規模の会社(事業所)で活用されることを想定していますので、厚生年金基金等については説明を省略します。

平成16年の法改正で厚生年金の保険料率は、平成29年9月まで毎年改定されますのでご注意ください。

現在(平成27年2月)の保険料率は、一般の被保険者が17.474%、坑内員・船員の被保険者が17.688%です。

厚生年金保険の保険料を控除するときも、原則、前月分を控除します。

賞与については、別の方法で保険料を算出しますので、ご注意ください。保険料額表の下にある3つ目の「●」をご参照ください。)

日暮太郎さんの事例では、計算する給与は平成26年10月分、年齢35歳、標準報酬月額260千円です。

まず、日本年金機構のホームページなどから保険料額表を入手します。

標準報酬の月額の欄を下に見ていって「260,000」を探します。

「260,000」が見つかったら右に見ていき、「一般(厚生年金基金加入員を除く)」の「折半額」のところを探します。

「22,716.20」が探せましたか。

保険料率が分かっていれば、「260,000×17.474%÷2」と計算しても出せます。

円未満の端数については、給与から控除するときに会社と本人との間で取り決めがなければ、50銭以下は切り捨てます。

「厚生年金保険」の欄には、「22716」を入力します。

4.雇用保険

1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある、65歳未満の方は、雇用保険への加入が義務付けられています。

雇用保険の保険料率は年度ごとに定められ、現在(平成26年度)は、一般の事業で1.35%、農林水産・清酒製造の事業で1.55%、建設の事業で1.65%となっていて、会社が負担する雇用保険二事業の保険料率(一般の事業、農林水産・清酒製造の事業で0.35%、建設の事業で0.45%)を除いた部分を半分ずつ会社と本人で負担することになっています。

平成27年度の保険料率は、据え置きとなる予定です。

毎月の給与から控除する雇用保険の保険料は、通勤手当(交通費)を含めた総支給額本人負担分の保険料率(平成26年度:一般の事業で0.5%、農林水産・清酒製造の事業で0.6%、建設の事業で0.6%)をかけた額(端数処理については上記の健康保険等と同じ。)となります。

なお、65歳になる前から雇用保険に加入している方は、65歳になる日がくる年度(4月1日から翌年3月31日まで)以降は保険料が免除されます。

日暮太郎さんの事例では、基本給210,000円、役職手当20,000円、住宅手当5,000円、家族手当10,000円、休日勤務手当14,082円、勤怠控除-10,000円、通勤手当10,000円ですので、総支給額は259,082円です。

株式会社荒川商事は一般の事業に該当するとします。

雇用保険の保険料は、「259,082円×0.5%」円ですので、計算すると「1295.41」円となり、端数を処理すると「1,295」円です。

「雇用保険」の欄には、「1295」を入力します。

5.次回

各税の控除の欄を説明したいと思います。

次回に続く

この記事を書いた人

荒牧 一彦
荒牧 一彦特定行政書士
特定行政書士、宅地建物取引士
地元、東京都荒川区で平成10年に開業。
最近は、NPO法人ライフサポート東京に入会し、成年後見にも取り組んでいます。
記帳会計、給料計算などの経理事務でお困りの際はお気軽にご相談ください。
★行政書士荒牧法務会計事務所
東京都荒川区荒川7-34-7-302 電話 03-5811-7876

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